AWSの閉域ネットワークでつまずいたときは、「どのサービスか」だけでなく、どこから、何という名前で、どの接続先へ通信しているかを分けると整理しやすくなります。このページでは、S3への接続、MGNによる移行、FSxの共有ストレージを中心に、設計レビューと障害調査の入口をまとめます。
目次
困っていることから記事を選ぶ
| 疑問・困りごと | まず確認する記事 | 記事で整理できること |
|---|---|---|
| S3にGateway型とInterface型があり、実際の経路が分からない | S3 VPCエンドポイントを併用したときの経路 | Private DNS、インバウンドのみの設定、ルートテーブルの関係 |
| MGNをインターネット接続なしで使いたい | AWS MGNの閉域構成に必要なエンドポイント | ソース・ステージングの接続先、443と1500、S3ポリシーの確認 |
| FSx for ONTAPでサブネットやSVMを増やしたい | FSx for ONTAPの50ルート制限 | SVM数と関連ルートテーブル数を使った増設の試算 |
| 復元したRDSへアプリケーションを接続したい | RDS復元と接続先の切り替え | 復元後の構成確認とエンドポイント切替の流れ |
最初に作る「通信元・接続先」のメモ
調査を始める前に、次の表を埋めます。空欄がある場所は、設定を変更する前に確認する項目です。分からない項目を推測で埋めると、別サブネットや別DNSの設定を調べ続けてしまうことがあります。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 発生時刻 | タイムゾーンを含む時刻。再現のたびに記録する |
| 接続元 | サーバー名、VPC・サブネット、オンプレミスのセグメント |
| 接続先 | アプリケーションが利用する実際のホスト名、ポート、リージョン |
| 名前解決 | 問い合わせたDNSサーバーと返されたアドレス |
| 症状 | 名前解決失敗、接続タイムアウト、TLSエラー、権限エラーなど |
| 直前の変更 | DNS、ルート、SG、エンドポイント、ポリシーの変更内容 |
設計時と障害時で確認の順序を変える
これから構築する場合
- 通信元を、オンプレミス・VPC内・別VPCなどの単位で分ける。
- 接続先をサービスごとに並べ、使うホスト名とポートを決める。
- DNSと通信経路をセットで図にし、各設定の管理担当を決める。
- 接続試験と業務試験を分け、どの結果をもって完了とするかを記載する。
- サブネットやSVMなどの増設予定を、現在の構成と合わせて試算する。
いま接続できない場合
- エラーメッセージを省略せず記録し、再現した時刻を残す。
- 問題が起きている接続元で名前解決し、想定した接続先かを確認する。
- 該当する経路とアクセス制御を確認し、変更候補を一つに絞る。
- 変更前後の同じ操作を比較し、結果を記録する。
- 解消した設定と、その設定が必要だった理由を手順書へ戻す。
同時にDNS、ルート、権限を変更すると、何が原因だったか分からなくなります。可能な範囲で一つずつ確認し、関係者が同じ記録を参照できるようにします。
変更依頼に添えるテンプレート
対象システム:
発生時刻・タイムゾーン:
接続元(サーバー/サブネット):
接続先(ホスト名/ポート/リージョン):
期待する動作:
実際のエラー:
DNSの確認結果:
現在の経路・関連する設定:
変更したい項目と理由:
影響範囲:
試験方法:
切り戻す条件と手順:
ログを外部へ共有するときは、認証情報、顧客情報、秘密鍵などを含めないでください。調査に必要な情報を残しつつ、共有先に応じて値を伏せます。
次に読む記事
まず仕組みを整理するならS3エンドポイントの経路、移行の接続要件を洗い出すなら閉域MGN、共有基盤の増設を考えるならFSxのルート数から読み進めてください。各記事に対象条件と公式参考資料を掲載しています。
本ページのメモ・テンプレートは、調査内容を整理するための例です。技術的な対応条件は、リンク先記事と対象サービスの最新公式資料で確認してください。