Amazon RDSのバックアップをAWS Backupで管理すると、「RDS標準の自動バックアップとは別に料金が発生するのか」「無料枠も別々に使えるのか」と迷いやすいところです。
結論からいうと、AWS Backup経由で取得したRDSバックアップにも、RDSのバックアップストレージ無料枠が適用されます。ただし、AWS Backup用とRDS標準バックアップ用に無料枠が二重で付与されるわけではありません。同じリージョン内にあるRDSの自動バックアップと手動スナップショットなどを合算して判定します。
この記事の要点
- RDSには、稼働中DBインスタンスのプロビジョンドストレージ合計に相当するバックアップストレージ無料枠がある
- AWS Backupの定期バックアップは、RDSでは手動バックアップとして扱われる
- RDS標準とAWS Backupを併用しても、無料枠は別々ではなく合算して判定される
- 無料枠を超えたバックアップストレージに対して料金が発生する
RDSバックアップ料金の基本
Amazon RDSでは、バックアップストレージの使用量が、同一リージョン内で稼働しているDBインスタンスのプロビジョンドストレージ合計以下であれば、バックアップストレージ料金は発生しません。
たとえば、東京リージョンで合計500GiBのRDS DBインスタンスを稼働させている場合、バックアップストレージは合計500GiBまでが無料枠の目安です。自動バックアップ、手動スナップショット、AWS Backupで作成したRDSの定期バックアップは、この枠を共有します。
| 項目 | 料金上の考え方 |
|---|---|
| RDS標準の自動バックアップ | RDSのバックアップストレージとして集計 |
| RDSで作成した手動スナップショット | RDSのバックアップストレージとして集計 |
| AWS Backupの定期バックアップ | RDSでは手動バックアップとして扱われ、同じ無料枠に集計 |
| AWS Backupの継続的バックアップ | RDSバックアップの無料枠を含む同一リージョンの合計容量を基準に判定 |
AWS BackupとRDS標準バックアップの無料枠は別々ではない
特に注意したいのは、AWS BackupとRDS標準バックアップを併用しても、無料枠が2倍にはならない点です。
AWS Backupは、RDSとは別の場所に独自のRDSバックアップデータを保存するサービスというより、各AWSサービスのバックアップ機能を一元的に管理するサービスです。RDSのバックアップについては、RDSのバックアップストレージとして扱われます。
そのため、料金は次のように考えます。
課金対象の目安
= 同一リージョンのRDSバックアップストレージ合計
- 同一リージョンの稼働中RDS DBインスタンスのプロビジョンドストレージ合計
計算結果が0以下ならバックアップストレージ料金は発生せず、0を超えた部分が課金対象になります。実際の請求では、バックアップの増分保存や月途中の利用量などが反映されます。
RDSバックアップ料金の計算例
無料枠内に収まる例
- 東京リージョンのRDSストレージ合計:500GiB
- RDS標準バックアップ:200GiB
- AWS Backupで取得したRDSバックアップ:250GiB
- バックアップ合計:450GiB
バックアップ合計450GiBは無料枠500GiB以下なので、バックアップストレージ料金は発生しません。
無料枠を超える例
- 東京リージョンのRDSストレージ合計:500GiB
- RDS標準バックアップ:300GiB
- AWS Backupで取得したRDSバックアップ:350GiB
- バックアップ合計:650GiB
この場合、単純化すると650GiB − 500GiB = 150GiBが課金対象の目安です。1GiBあたりの料金は、DBエンジンやリージョンによって異なるため、最新のAmazon RDS料金ページで確認してください。
スナップショットと継続的バックアップのどちらにも無料枠は適用される?
AWSサポートへの確認では、AWS BackupによるRDSのスナップショットバックアップと継続的バックアップのどちらも、RDSバックアップの無料枠を含む同一リージョンのバックアップストレージ合計を基準に考える、という回答でした。
AWS公式ドキュメントでも、AWS Backupの定期スナップショットはRDS上で手動バックアップに分類され、自動バックアップと手動スナップショットを合わせて無料枠を判定すると説明されています。また、トランザクションログバックアップには追加料金がないとAWS公式ブログで案内されています。
料金確認で見落としやすいポイント
1. 無料枠はリージョン単位
東京リージョンと大阪リージョンのRDSストレージを合算して、一方のバックアップ無料枠に充当することはできません。DBストレージとバックアップストレージは、リージョンごとに確認します。
2. DB削除後も保持するバックアップに注意
無料枠は稼働中DBインスタンスのプロビジョンドストレージを基準にします。DBインスタンスを削除してバックアップだけを保持すると、そのDBが提供していた無料枠もなくなるため、保持中のバックアップストレージが課金対象になる可能性があります。
3. クロスリージョンコピーは別途確認
バックアップやスナップショットを別リージョンへコピーする場合、コピー先でのバックアップストレージ料金に加え、リージョン間データ転送料金が発生することがあります。
4. Amazon Auroraは同じ考え方とは限らない
この記事は主にAmazon RDS DBインスタンスを対象としています。Amazon Auroraではバックアップストレージの料金体系や無料となる範囲が異なるため、Auroraの公式料金・ドキュメントを個別に確認してください。
よくある質問
AWS Backupを使うとRDSバックアップ料金が二重に請求されますか?
同じバックアップに対して、AWS BackupとRDSから二重にストレージ料金が請求されるという意味ではありません。RDSバックアップはRDSのバックアップストレージとして扱われ、RDS標準バックアップなどと合わせて無料枠および超過分が計算されます。ただし、クロスリージョンコピーなど、利用する機能に応じた追加料金には注意が必要です。
AWS BackupとRDS標準バックアップを併用すると無料枠は2倍になりますか?
なりません。両方で取得したバックアップストレージを同一リージョン内で合算し、RDSの共通の無料枠と比較します。
リードレプリカのためにRDS自動バックアップを有効化すると、AWS Backupとの併用で直ちに課金されますか?
併用しただけで直ちに課金されるわけではありません。両方のバックアップストレージ合計が、同一リージョンの無料枠を超えた部分に対して料金が発生します。保持期間とバックアップ頻度を設計し、合計使用量を確認することが重要です。
まとめ
AWS BackupでRDSをバックアップしても、RDSのバックアップストレージ無料枠を利用できます。一方で、AWS BackupとRDS標準バックアップの無料枠は別々ではありません。自動バックアップ、手動スナップショット、AWS Backup経由のRDSバックアップを、同じリージョン内で合算して考えるのがポイントです。
バックアップ料金を抑えるには、バックアップ方式だけでなく、保持期間、取得頻度、DB削除後のスナップショット、クロスリージョンコピーまで含めて設計しましょう。
参考資料
- AWS Backup Developer Guide:Amazon RDS backups
- Amazon RDSの料金
- Demystifying AWS Backup for Amazon RDS for Oracle
- Demystifying Amazon RDS backup storage costs
※料金や仕様は変更される可能性があります。本記事は2026年8月時点のAWS公式情報とAWSサポートへの問い合わせ結果をもとにしています。実際の利用前には、最新の公式料金ページをご確認ください。
