Amazon RDSを運用していると、「管理画面で確認できるログ」と「CloudWatch Logsにエクスポートされるログ」の違いについて疑問を持たれることが多いのではないでしょうか。本記事では、この2つのログの違いと、それぞれの活用方法を解説します。
RDSのログとCloudWatch Logsの関係性
RDSの管理画面に表示されるログと、CloudWatch Logsにエクスポートされるログの関係性は、基本的に以下の通りです。
RDS管理画面のログ
RDS管理画面では、以下のようなデータベースログを確認できます(例:RDS for MySQL):
- エラーログ
- 一般クエリログ
- スロークエリログ
これらは、RDSインスタンスで生成されたログファイルを元に表示されています。
CloudWatch Logsのログ
CloudWatch Logsにエクスポートされるログは、RDSで生成されたデータベースログを転送したもので、基本的には管理画面で表示されるログと同じ内容です。
RDSとCloudWatch Logsのログ保持期間の違い
RDS管理画面のログ保持期間
RDSの管理画面では、ログの保持期間が制限されています。例えば、RDS for MySQLでは以下のようになります:
- 基本的な保持期間:2週間
- ログの総量がストレージの2%を超えた場合:古いログが自動的に削除されます。
ログが1時間ごとにローテーションされる仕組みもあり、常に最新のログを確認できますが、それより古いデータは失われる可能性があります。
CloudWatch Logsのログ保持期間
一方、CloudWatch Logsにエクスポートしたログは、保持期間を指定しない限り無期限で保存されます。保持期間を変更したい場合は、CloudWatch Logsの設定から調整可能です。
CloudWatch Logsを活用するメリット
- 長期間のログ保持
RDSでは2週間しか保持されないログも、CloudWatch Logsを活用すれば無期限に保管できます。これにより、長期的なトラブルシューティングや分析が可能になります。 - 統一的なログ管理
複数のRDSインスタンスを運用している場合でも、CloudWatch Logsで一元管理が可能です。 - 柔軟な設定
エクスポートするログの種類や保持期間を自由にカスタマイズできます。
RDSログ管理のベストプラクティス
- CloudWatch Logsへのエクスポートを有効化する
ログを確実に保管し、2週間以上のデータを確認できるようにするため、CloudWatch Logsへのエクスポート設定を推奨します。 - 保持期間の設定を見直す
CloudWatch Logsでログの保持期間を必要に応じて設定し、コスト管理をしながらデータを適切に保存しましょう。 - 監視とアラートの活用
CloudWatch Logsと連携して監視やアラートを設定すれば、エラーや異常を早期に検知できます。
まとめ
Amazon RDSのログ管理を効率化するには、RDS管理画面とCloudWatch Logsの特性を理解し、それぞれのログを活用することが重要です。短期間のデータ確認にはRDS管理画面を、長期間のログ保管や高度な分析にはCloudWatch Logsを使い分けることで、ログ管理が一層便利になります。
CloudWatch Logsを活用することで、ログデータの保存期間の制約を取り除き、運用の効率化と可観測性の向上を実現しましょう。
参考リンク: